【コーンウォール】 ビクトリア時にタイムトリップ! ランハイドロック Lanhydrock

360ヘクタールの敷地を誇るランハイドロック(Lanhydrock)は、コーンウォール地方のフォウェイ川(River Fowey)の上流にあり、ビクトリア時代の富裕層が送っていた生活を身近に感じることができる邸宅です。

※ Wiki に『ランハイドロック』と書かれているので、こちらでもその呼称を使いましたが、スタッフの方たちは『ランドロック』と発音していました。イギリス人の友人に聞いても「読み方が分からない」と言っていましたので、かなり特殊な読み方なのだと思います。

 

イングランド内戦と悲劇の大火災

ランハイドロックが建設される前は、この地にはオウガスティン派の修道院があったそうです。1620年に裕福な商人であるサー・リチャード・ロバーツ(Sir Richard Robartes)の手に渡り、ランハイドロック・ハウスの建設が開始されました。

建設途上の1624年にサー・リチャード・ロバーツが亡くなったため、伯爵に叙勲された息子のジョン・ロバーツ(John Robartes)が建設を引き継ぎ、1642年まで邸宅や庭の整備が続いていました。しかし、1642年に勃発したイングランド内戦によってランハイドロックは接収され、王党派の駐留所として利用されていたそうです。

イングランド内戦後、トーマス・ジェームズ・エイガー・ロバーツ(Thomas James Agar-Robartes)が邸宅を取り戻しますが、1881年に大火災が起こり、ジェイコビアン様式の屋敷は焼け崩れました。

当時69歳だった夫人は煙に巻かれ、辛くも救出されたものの1週間後に命を落としたそうです。そして、妻を失って悲嘆にくれたトーマスも、1年後にこの世を去りました。

 

その後、トーマス・ジェームズの息子トーマス・チャールズ(Thomas Charles)と妻のメアリー(Mary)が移り住み、ランハイドロックをビクトリア様式に改築しました。

トーマス・チャールズとメアリーは、9人の子供たちとともに幸せに暮らしていました。しかし、第二次世界大戦がはじまり、出征していた跡継ぎの長男が命を落としたことから、だんだんと衰退していったそうです。

 

当時の家具や玩具など、生活の息遣いを感じることができます

現在目にすることができるビクトリア時代に造られた邸宅は、なんと部屋数が52部屋もあり、当時の家具がそのまま残っているため、ビクトリア時代の貴族の生活を垣間見ることができます。

実は、ナショナルトラストに寄贈される邸宅のうち、家具ごと屋敷を寄贈されているケースはとても珍しいのです。寄贈される理由はさまざまですが、寄贈される前にアンティーク家具などはオークション等で売りさばかれてしまうことが多く、ナショナルトラストは他の屋敷やオークションなどで手に入れた家具を設置して一般公開しているのです。

ランハイドロックでは、こんな風にビクトリア時代に使っていたままにお部屋を再現しています。こんな風に当時のままの家具を置いている邸宅は、とても貴重です。

.

 

 

 

ランハイドロックで、心憎い演出だなと思ったのが、こちらの刺繍です。

 

上の写真は、こちら(↓)の部屋に置いてあったのですが、部屋の説明が刺繍に施されているのです。

こういった案内だったら、部屋の雰囲気を損ねることなく訪問者に情報を与えることができますよね。刺繍には『ロバーツ夫人は、この部屋を朝の執務室として使っていました』と書かれています。

 

こちらは男性たちが夕食の後に寛いだという、ゲームルームです。トラ革の敷物が生々しいです・・・

 

9人も子供がいたトーマス・チャールズとメアリーは、子供たち専用の遊び部屋も用意していました。

 

なんと子供たちの遊び部屋だけでなく、子供たち専用の教室までありました。

 

こちらは大きなキッチンです。大勢を招いてのパーティーにも対応できるよう、とても大きなオーブンなどもありました。

 

そして、なんとこの居心地の良さそうなお部屋は、召使い部屋だそうです。

とても快適そうなお部屋で、私のロンドンのアパートよりも広かったので「私も、ここで働きたかった!」と思ってしまいました(笑)

 

私はイギリス国内だけでも100軒以上のナショナルトラストに訪れたことがありますが、このラインハイドロックは屋敷・内装・庭の三拍子がそろっている『Grand(壮大な)』という言葉が似つかわしい、見ごたえのある史跡でした。

ストーンヘンジのように誰もが名前を知っていたり、輝かしい歴史に名を連ねる有名人の屋敷だったわけではありませんが、かつてこの地に住んだ富裕層の生活を垣間見ることができ、当時の息吹をかんじることのできる素晴らしい場所です。

こちらに足を運ぶ機会がありましたら、ぜひ訪れてみることをお勧めします!

 

1953年、ナショナルトラストに寄贈

ロバーツ家は第二次世界大戦により爵位継承権のある長男を喪い、だんだんと衰退していったそうです。

1953年からナショナル・トラストが管理しており、現在は子孫の方が1人だけ残っており、敷地内のコテージで暮らしているそうです。

 

Lanhydrock(National Trust)

URL https://www.nationaltrust.org.uk/lanhydrock

ランハイドロック近辺の宿を探す